Vol.1
プレイヤーの「命」
ヘルメットのメンテナンス
良いプレーヤーはフィジカルや戦術はもちろんのこと、
ショルダーパットなどの防具のメンテナンスにも抜かりはありません。
最高のパフォーマンスを発揮するには最高のギアを
身に付けなくてはなりませんから・・・。
最も多いトラブルとは!?
大事な頭部を守るヘルメットですが、コンタクトの多いスポーツなだけにメンテナンスにも十分な気配りが必要です。これまで、多くの方が当店に修理の依頼にご来店下さいました。その中でも最も多かった修理内容について以下にまとめてみました。きっと皆さんのなかにもこれらのトラブルに遭遇した経験があると思います。そんな方は是非、これからご紹介する対処方法をお試しください。
金具の錆への対応策
フェイスの留め金部分に潤滑油や保革油(KURE5-56やボールなどに付ける油)を使用するだけでだいぶ解消されます。これは試合直前に行うのではなく、なるべくマメにオフ中にも行うのがベストです。フェイスを取り外したついでにヘルメットの内側のパットも綺麗にすることをお勧めします。錆の原因はプレー中に飛び交う汗ですので、常に清潔感を保つ事で錆を防ぎ、なおかつ異臭の発生も防ぐ事が出来ます。毎練習後にタオルで内側を拭くだけでも随分違いますので、是非実践してみてください。(※) ヘルメット同様、クリーツ交換式スパイクにも是非同様の事を行ってください。金具の取り外しが楽になる筈です。
ループ(止め具)切れの対策
フェイスマスクを固定する器具を「ループ」と言いますが、このループが切れやすいという現象の原因としては、フェイスマスク自体が拡がってしまっている可能性が殆どです。拡がってしまったフェイスマスクに新しいループを取り付けても、普段よりも圧力がかかっている為ちょっとしたコンタクトでも切れてしまいます。そんな時はフェイスマスクをヘルメットから取り外し、元のように狭めてあげてください。フェイスマスクを地面に押し付けて調整する(*図1)とよいでしょう。それでもすぐに拡がってしまう場合はフェイスマスクを交換することをお奨めします。あまり何度も地面に押し付けると金属疲労を起こし、折れてしまったり曲がってしまう原因にもなり兼ねませんので。(*図1)地面に押し付けて拡がりを戻します。
また、フェイスガードのコーティングが無くなってきている方も早目の交換をお奨めします。練習中にコンタクトした時、相手のフェイスのコーティングを削ったり、ヘルメットに傷を付けてしまう原因になります。
内部パッドの空気漏れの対策
ヘルメット内部パッドの空気が抜けてしまう場合、その空気を補充すれば良い訳ですがその際に空気を入れる“ピン”の長さに気を付けなくてはなりません。当店では、ヘルメット専用の空気入れと空気針を使用していますが、ボールに使用する空気入れを使用することも可能です。しかし、ボール用の場合は空気針が長いので勢いよく差し込むとパッドを突き破ってしまい、パンクの原因となります。 また、空気針挿入口から空気が漏れている事も考えられます。Riddell社製のヘルメットをお使いのの場合には挿入口部分を、Schutt社製の場合は内側のライナーを交換しなくてはなりません。いずれも、当店にお持ちいただければ修理・交換いたします(有料)。左がボール用、右がヘル用
ヘルメット用空気入れ